こんにちは!
SREのせんちゃんこと、千田です (@thousan_da) 。
本記事では、Voicyのバックエンドエンジニアが実施している輪読会を紹介します。
こちらの内容は音声でもお届けしています。耳からのインプットする方が得意だよという方は、以下のリンクからお聞きください!
それでは本題です。
概要
Voicyのバックエンドエンジニアは、技術書の輪読会を行なっています。
主な目的は以下の通りです。
- エンジニアとしてのレベルアップ
- 同じ本から学ぶことで共通認識を作る
- 他のメンバーの着眼点を知る = コミュニケーション
直近で読んでいる本は『Kubernetes完全ガイド』。
インプレス社から出版されている一冊です。著者はサイバーエージェントの青山真也さん。
全20章で構成されており、紙の本で668ページ、Kindle版は1249ページというボリューミーな本です。この本に限らず、インプレス社の技術書はレベルの高い骨太本が多い印象があります。
Voicyのサービスの多くはKubernetesで動作しているため、この本が選ばれました。
次の章から、本の選出方法も含めた輪読会の流れを紹介します。
輪読会の流れ
週に1回1時間、オンラインで集まって行っています。1冊を終えるのにかかる時間は約6週間〜12週間と、選ばれた本のページ数によってまちまちです。
読む本を決める
まず、最初の週に輪読会で読む本を決めます。選書には「ビブリオバトル」を採用しています。
以下、Wikipediaからの引用です。
ビブリオバトル(Bibliobattle)は、京都大学から広まった輪読会・読書会、または勉強会の形式で「知的書評合戦」とも呼ばれている。
ビブリオバトル公式ルール
- 発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まる。
- 順番に1人5分間で本を紹介する。
- それぞれの発表の後に、参加者全員でその発表に関するディスカッションを2〜3分間行う。
- 全ての発表が終了した後に、「どの本が一番読みたくなったか?」を基準とした投票を参加者全員が1人1票で行い、最多票を集めた本をチャンプ本とする。
厳密に上記の通りに行っているわけではありませんが、各エンジニアが輪読会で取り上げたい本を持ち寄り、その本の内容や、読むとどんな良いことがあるのかをプレゼンします。その後、質問があれば答えたり、感想を言い合ったりします。
全員のプレゼンが終わったら投票タイムです。1人1票で投票を行い、最も得票数が多かった本が採用されます。
集まってディスカッション
2週目以降は、事前に決めた章を全員が読んだ状態で集まります。1章だけの場合もありますし、何章かまとめての場合もあります。
まず、集まってから最初の15分程度で、各自その章を読んで学んだことや疑問に思ったことなどを書きます。 オンラインホワイトボードツールのMiroを使ってこんな感じで付箋に記入しています。
その後、その日のファシリテーターの進行のもと、各々が書いた内容を順に話していきます。全員が話し終わったところで特に気になったポイントについて感想を述べたり、質問をしたりして深掘りを重ねていきます。
このとき、本で学んだことを踏まえて運用中のシステムのここが問題だよねということを話したりもします。
上記の『Kubernetes完全ガイド』の例で言えば、この部分の設定値はこれが推奨されているけれど、現状そうなっていないよね、という話などです。また、その前に実施していた『ドメイン駆動設計 モデリング/実装ガイド』では、このAPIのパッケージ構成は本来こうあるべきだよね、という話をしたりしていました。
輪読会をしてみて
まず、当たり前ですが技術書を読むことで知識が増えました。知識が増えることで、できることが増えたり、現状の課題が見えてきたりします。この点に関しては、輪読会を行ったからというよりも、技術書を読んだからという理由が大きいです。
では、ただ読むだけでなく輪読会という形式にしたことでよかったと感じる点が以下です。
- 詳しいメンバーの知識をシェアしてもらうきっかけになる
- 強制的に読めるw
詳しいメンバーの知識をシェアしてもらうきっかけになる
新しく入社したエンジニアやまだ経験の浅い若手は、分からないことがたくさんあります。体系的な知識を得ようにも、社内でドキュメントが完璧に整備されているということもなかなかないでしょう。そんなとき、漠然となんとなく分からないのですが、、、と質問することは難しいですが、輪読会を通してであれば、自然と知識をシェアすることができます。自分自身、輪読会をきっかけに先輩エンジニアたちが話した内容から学んだことがたくさんあります。
強制的に読める
分厚い技術書をひとりで読み切るのは簡単ではありません。読めばありがたい教えがあり、自分のためになると分かっていても読めないのが人間というものです。毎週、輪読会という締め切りが訪れることで、強制的に技術書を読むことができます (笑)
最後に
というわけで、これを読んで気になった方は、ぜひ輪読会をしてみてください!
今回は技術書の輪読会という文脈でしたが、単にビブリオバトルをするだけでも楽しいです。
職場で実施するのが難しいという方は、プライベートで仲が良い方と技術書以外の本でやってみるのも良いと思います!