voicyの検索改善について

はじめに

こんにちは! 株式会社Voicyでデータアナリストをしている翔斗です。

今回は検索改善の話をしていきたいと思います。

検索改善の種類

画像はVoicyの検索を改善するにあたって分類したものになります。

voicyでは「見つける」というタブから検索することができます。 その検索結果にはチャンネル/放送という順に一列に並びます。 「英語」というワードの検索をすると画像のように並びます。

同じ窓からチャンネルと放送を検索するため、何を目的として検索しているのかを把握する必要が出てきます。 また、カテゴリ検索やハッシュタグ検索などの種類もあるため検索改善箇所を上げるとキリがありません。

UIを変更するといっても

  • 放送とチャンネルのタブを分けて表示する
  • 人気な放送と最新放送など条件でタブを分けて表示する
  • チャンネルカードのデザインを変更する

などがありますし、ほかの箇所でも

  • カテゴリ分類を変更する
  • 検索結果の並び替え最適化をする
  • 検索結果がないという状況を無くす(0マッチ問題)
  • 年齢・性別などで結果をパーソナライズする
  • 過去の聴取・検索などから求めている結果をパーソナライズする
  • etc

とさまざまな種類の改善が考えられます。 この中から効果のあるものを選定し施策として実行していく必要があります。

現状把握

指標を決めたらvoicyの検索が今どんな状態であるかを把握します。 現在一番ボリュームが大きいのは通常検索になります。

通常検索の詳細を見ていくと下記のようなことが確認できました。

  • 検索ワードの多くが1〜10回程度しか検索されていない
  • チャンネルを検索しているであろう検索ワードでもチャンネルが表示されず、放送のみが結果として出ていることがある
  • チャンネルが表示されない多くの原因が表記揺れ(普段のSNSとは違う名前での活動や略語・ローマ字とひらがなの揺れ...等)
  • 放送よりもチャンネルを目的とした検索の方がタップ率も再生率も高い

この結果から、チャンネルと出会わせる体験を向上させるのが重要そうだというのがわかりました。

Voicyの検索改善における指標

いくつもの改善施策から実際に実行するにはユーザの目的を整理し、指標を決める必要があります。

voicyでは「人を届けるメディア by voice」と社長の緒方がよく言うように、発信するパーソナリティをリスナーに見つけてもらうと言うのが重要になります。

現状の課題にもチャンネルが表示されないというものが確認できているため、まず出会ってもらうということを目標にチャンネルのタップ率を第1の指標とし、その先に聴取率・継続率とファネルがひいていきます。

仮説・施策

チャンネルが表示されない という問題はいわゆる0マッチ問題と呼ばれるものになります。

解決手段としては

  • 表記揺れなどの曖昧な検索でも結果を補完して表示する
  • 検索ワードに近いワードの結果を代わりに表示する
  • 結果なしの場合、検索に関係なくレコメンドをする

などで表示結果0を減らしていくことができます。

効果測定

施策の効果は主にA/B テストによって測定しています。

Voicyでは祝日や連休には聞かれなくなってしまったり、パーソナリティのSNSの拡散や会社のPR状況などで検索ワードのボリュームが変化することがあります。このような状況において、施策の有効性を施策前後で証明するのは難しいことがあります。 そのため検索施策に限らず多くの施策で、ABテストを利用することでその施策のみの効果を測定しています。

具体的には

  1. 施策対象のユーザー全体をランダムに 50:50 に割り振り半分のチームに施策を行う
  2. 施策を実行しない側の前後変化がないことを確認する
  3. 上記確認の上で、施策チームの前後変化を確認し、有意差があるか判断する。(前後変化がある場合その変化結果を施策実施チームでも考慮し有意差があるか確認する)

次回

今回はどんな手順で検索を改善していくか記載したので次回以降は、結果0を減らしていくためにどんな施策を行ったのかを記載していきたいと思います。