VoicyにSalesforceを導入した話

こんにちは! 株式会社Voicyでデータアナリストをしている翔斗です。

今回はSalesforce(以下SF)の導入についてどんな点で困ったかを書いていきます。

前提

ご存知の方も多いかもしれませんが、SFとは成約までの営業プロセスを効率化するプラットフォームです。 導入することで、営業から成約後の振込までの効率化はもちろん

  • どんな種類の問い合わせが多いのか?
  • チャネルはどこが多いのか?
  • どこでなぜ失注しているのか?

などの可視化をし改善をすることができます。

voicyのチャンネルに売上が発生する商品には下記になります。

  • スポンサー
  • タイアップ
  • プレミアムリスナー
  • 差し入れ

青字部分がアプリ/webのサービス上で決済が行われる部分・赤字部分が企業から支払いが発生する部分になります

青字部分はVoicyのDBデータを見ることで簡単に把握ができました。しかし、赤字部分は成約段階ではすぐに把握できず、実施後振込の際に金額を手動で取り込み初めてどのチャンネルへいくら払っているのかがわかるという状態でした。

これをSFでどう管理することで、チャンネル収益を正確に判断するようにするというのが今回の内容になります。

チャンネルの売上を出す流れ

チャンネルの売上を出す流れは以下になります。

  1. スポンサーの成約情報をSFへ入力する
  2. 成約した商談にVoicyのチャンネルを紐付ける
  3. チャンネル単位/商品単位/制約時期などの切り口でダッシュボードを作成する

入力・集計・表示とすごい簡単に書いていますが、実際にSFを0から導入して、活用まで持っていくにはいくつか障壁があります。

導入での障壁

SFを導入する際には主に以下のような障壁があります。

  1. 導入しても工数が削減されるわけではない

  2. 導入後後すぐに入力が徹底されるわけではない

  3. 自由記述を増やしてもデータとして情報が増えるわけではない

  4. 導入してもすぐに売上が上がるわけではない

導入しても工数が削減されるわけではない

まず、1番大事なポイントですが、SFを導入したからと言って作業工数が激減するということは多くありません。

新しいシステムを導入するとどうしても発生するのが最初の構築。そしてシステムを浸透させる時間。

  • どのようなオブジェクト構成にするか

  • そのデータがどうvoicyアプリで活用しているデータと紐付けをどのようにし、何に活用するか

を明確にする必要があります。特にSFは導入コストが高く、活かすまでに時間がかかります。

導入後後すぐに入力が徹底されるわけではない

そして決まった導入すると次に来るのが、入力を浸透させる作業になります。多くの場合必要最低限の内容だけ各々がスプシなどでまとめてるという状況が多いので、それを毎回必要に応じて都度SFに入力してもらうとなると抜けが出てきてしまいます。せっかく入れてくれても全てデータが揃わないといい分析はできないので必要なデータは必ず入れるような習慣を全体に浸透させる必要があります。 これは抜け道が少なく、地道に日々呼びかけをしていくことや定期的にデータをチェックし、入力させるなどが必要になります。

自由記述を増やしてもデータとして情報が増えるわけではない

SFを導入推進する側が入力を徹底させる際によくやってしまう事例として、「管理なんでもデータにしようとする」というものがあります。

自分もデータアナリストとしてこの感覚はすごくあり、分析するデータはあればあるだけよくなんでも入力していて欲しいと考えてしまいます。 しかし、入力箇所や機会が増えると入力漏れが発生してデータの欠損が生まれたり、自由記述を作り詳細を記載してもらってもそのままではデータとして使い道が限られて作業コストに対してアウトプットの分析結果が見合わないということが発生しがちになります。

必要最低限の情報をきめ、自動入力できるところは可能な限り先に入力されるようにし、作業部分も簡潔に可能な限り選択肢で入力できるようにするといった工夫がとても大切になります。

導入してもすぐに売上が上がるわけではない

幸いvoicyではこれまで沢山データの活用を浸透する取り組みをしていたおかげもあり、会社のカルチャーとして社員全員がデータの大切さをよく理解してくれていました。そのおかげで比較的スムーズに運用が回るようになりましたが、ここまで導入準備から入力しやすいフォーマットの設計・地道な浸透の声かけとやってもすぐにSFのおかげで売上が上がるということはないのもまた大きな障壁と感じています。

最初に SFとは成約までの営業プロセスを効率化するプラットフォームです。 と紹介していましたが、SFの一番のポイントは現状の把握が正確にできることです。

ある程度商談件数が増えていくと管理しきれず自分が担当しているもの以外の状況がわからなかったり、自分の商談も全体を俯瞰してどのチャネルからが多いのか・どんな理由で失注してしまうのかなどを振り返るのが難しくなるかと思います。 そんな全体の分析を支えるのがSFの役割です。

  • リード件数が追える/ファネルでも追える
  • bizの目標可視化ができる
  • 過去との比較
  • 提案金額の効率化
  • 経理との連携etc...

すぐに売上がポーンと上がるわけではないですが、今どんな状態でどこが課題になっているのか。流入ファネルによって響く商材の違いがあるのかなどの情報が明確になっていくことでそのノウハウが1人にとどまらず、数字という形で全体に共有できます。結果として角度の高い提案をすることができるようになり、売上が上がる。または入らない箇所をカットすることができ工数削減につながるということが可能になってきます。

voicyでは導入から1年近くたったことでやっとその成果が目に見えてきています。 提案や報告の型が決まり効率化が進むことで工数が浮いた分だけ新しい商品を設計する時間に当てられたり、相性の良い商品の組み合わせが見つかったりしました。

まだまだ、連携できていない場所や取れていないものはあるので必要に応じて負荷が少なく成果は大きく出せるようなSFの仕組みづくりをできるよう頑張っていきます。 なんでもデータで欲しいという欲を置いておいてできる限り利用する人が使いやすいように運用できたらと思います。