はじめまして!VoicyでQAエンジニアをしています、森田です。
今回は、先日社内で行った、「品質って何だ?ワークショップ」について紹介します。
開発部門で品質について考えるいい時間になったので、品質について話すきっかけづくりの方法、事例として参考になったら嬉しいです。
背景
日々の業務に追われていると、なかなか品質について考えることも難しいかと思います。
QAエンジニア発信でどんな勉強会を実施するのかを考えた際、テストの手法やテストケースの書き方という実務的な案も出てきました。
しかし、テストではなく品質に着目したかったため、「品質ってなんだ?」ワークショップを実施することに決めました。
毎週行っているエンジニア勉強会でのワークショップ実施となります。
ワークショップの目的
上記の画像は、実際にワークショップで利用した資料の一部です。
勉強会や発表では多くのことを詰め込みがちですが、グッと堪えて、伝えたいことを(ほぼ)1つに絞りました。
それは、「一言で品質といってもいろんなものを指している。だから、人によって指している品質は異なる」ということです。
続いて、当日のワークショップの流れについて説明します。
ワークショップの流れ
ブレストしやすいように、前半は、普段利用している製品・サービスを題材としました。
また、立場が違うと品質の捉え方が変わるということを体感するために、ユーザーとして考える時間と製品を提供する作り手として考える時間に分けました。
Q1
普段利用している製品・サービスを思い浮かべてください。(医薬品、飛行機、Webサービス、アプリ、ゲームなど...)
品質が高い/良いと思ったのはどんな製品&どんな時ですか? 逆に、品質が低い/悪いと思ったのはどんな製品&どんな時ですか?
時間配分
- みんなで付箋を書く 3-5分
- いくつかピックアップ 3-5分
- 解説 2分
このように、サービス名と、なぜ品質が良いと思ったのかがわかるように記載します。
また、書いてある内容について、もっと聞いてみたいものをピックアップし、参加者にも発言していただきました。
交通系ICや、音楽再生アプリ、接種会場のオペレーションなど、参加者の皆さんがイメージする「良い品質」にはたくさんの種類があることがわかりました。
Q1の解説では、品質の定義について紹介しました。
業界でも品質自体の定義は複数あります。品質とはとても曖昧なものなのですね。
Q2
Voicyユーザーとして、品質が高い/良い状態とはどういう状態だと思いますか?
逆に、品質が低い/悪いと思ったのはどういう状態だと思いますか?
時間配分はQ1と同様です。
Voicyユーザーには、番組を配信するパーソナリティーさんと番組を聞くリスナーさんがいます。それぞれの立場で想像しやすいように、工夫しました。
色んな「品質が良いVoicy」が書かれていて、読んでいるだけでもワクワクしました!
Q2の解説では、狩野モデルの話をしました。そして、参加者自身が書いた付箋がどれにあたるのかを分類し、付箋の色も赤、オレンジ、青に変えてもらいました。
左の品質が良いと思う欄には、赤の魅力的品質が多く、右の品質が悪いと思う欄には青の当たり前品質が多いという傾向が見えて、面白かったです。
Q3
Voicyの開発者、提供者として品質が高いとはどういう状態だと思いますか?(エンジニア、デザイナー、PdM、CS、セールス等。ご自身以外のロールで書いてもOK)
逆に、品質が低い/悪いと思ったのはどういう状態だと思いますか?
最後は、立場を利用ユーザーから作り手に変えます。
社内には、多くのロールの方がいます。今回付箋に記載されたのは以下のロールです。
- エンジニア
- UIUXデザイナー
- EM
- SRE
- CS
品質が良い/悪いと言っても、ロールによっても全然違いますね。前提がずれている状態でこれまで会話をしていたのかもしれませんね。
参加者の感想
アンケートに回答して下さった方の9割が、「品質について考える有意義な時間になった」と回答してくださいました。(嬉しい)
QAのことをある程度知っている方にとっては、「知っていることも含めて定期的に考えることは大事」、また、QAのことを全く知らなかったという方にとっては、新鮮な情報ばかりだったようです。
今後の勉強会で扱ってほしいトピックについても伺ったところ、やはり、テスト技法やテストケースの書き方について、一定数要望があることがわかりました。
もっとこうしたい
今回はエンジニア勉強会で実施したため、参加者はほぼ開発チームの方でした。CSさんやセールスさんなど、ビジネス職の方にも一緒に参加していただくと、さらに多くの品質のカタチに出会えるのではないかと思いました。
おわりに
当たり前なことだと、意識していないことも多いですよね。そういう題材はいろんな習熟度の人が参加するワークショップに向いているということを改めて実感しました。