開発者こそ自分たちのサービスを触ろう!

はじめに

Voicyでバックエンドエンジニアをしているmasaです。

突然ですが、みなさんは「自分たちが作っているサービス」を、ユーザーとして使っていますか?   開発者として触れる機会はあっても、実際のユーザーと同じ目線で触れる機会は意外と少ないかもしれません。

Voicyには、「Voicy」というパーソナリティが発信している音声を聴くことのできるアプリと、「Voicy Studio」という、パーソナリティが発信するための音声を収録することができる2つのアプリがあります。

今回、私自身がVoicyのパーソナリティとしてVoicy Studioの方のアプリを利用することで、今まで気づけなかった改善ポイントをいくつも見つけることができました。

この記事では、

  • 実際に自社サービスを使うようになったきっかけ
  • 利用する中で見えてきた改善ポイント
  • そこから得られた学び

などについてまとめていきます。

「自分たちのサービスをユーザーとして触ることの大切さ」を少しでも伝えられればと思います!

使うようになったきっかけ

Voicy社内では最近、「全員パーソナリティになって、サービスを使い倒してどんどん改善していこう!」という空気が強まってきました。

私もその流れに乗って、自分のチャンネルを開設し、日々の放送を始めました。

最初は「自分も配信してみたいなー」くらいの軽い気持ちで始めてみましたが、実際にパーソナリティとして使ってみると、開発者としての目線だけでは気づけなかったことが次々と見えてきました。

実際に気づいた改善ポイント(今回は3つ紹介!)

以下に、自分が実際にユーザーとしてアプリを使ってみて気づいたことのうちの3つを紹介してみたいと思います!

1. プロフィールで途中保存ができない

プロフィール入力は、チャンネルを伸ばす上でもかなり大事な部分です。だからこそ、しっかり考えて丁寧に入力したいのですが...

現状、プロフィールは必須項目を全て埋めないと保存できない仕様になっています。

自分がチャンネルのプロフィールを入力していたとき、入力途中で「この項目は後で考えよう」と一旦アプリを閉じたところ、時間が経ってアプリが再起動されてしまい、それまで入力していた内容がすべて消えてしまいました。

一部の必須項目が未入力だったことで保存できず、せっかく入力していた情報が失われてしまったのはかなり残念な体験だったので、途中保存できるような機能の導入を検討したいと思います!

2. 録音の撮り直し時に確認がない

Voicyでは録音済みの音声を途中から撮り直すことができます。

これはとても便利な機能なのですが、マイクボタンをタップすると確認なしでその時点以降の音声が上書きされてしまう仕様になっています。

実際に、誤ってタップしてしまい、録音が消えてしまうということを私は2度経験してしまいました...

特にパーソナリティとして日常的に発信をするようになってからは、「話した内容を聞き直して修正したい」といったシーンが増え、録音の聞きなおしや撮り直しが頻繁に行われているということに気づきました。

再録音する際は、「これ以降の音声を撮り直しますか?」というような確認があると安心できるなと思ったので、そういった形にできるように変更していきたいなぁと思いました!

一方で、再録音の手軽さはUXを高める方に倒れている部分もあるので、確認のオン/オフを選べるようにするなど、より柔軟な体験ができると良いのかなと思いました。

3. 「やってみよう」という機能の改善余地

Voicy Studioには、「やってみよう」という習慣化やモチベーション向上を目的とした機能があります。

チュートリアルやログインボーナスのようなイメージの機能で、

  • 「この機能を使えばこの項目を達成!」
  • 「n日間放送すればこの項目を達成!」

など、ゲーム感覚で楽しく使える仕組みになっています。

ただ、使ってみるといくつか気になった点がありました。

改善点1: ハードルの急激な上昇

「放送に関する項目」として、

  • 3日連続放送
  • 5日連続放送
  • 7日連続放送
  • 10回放送
  • 50回放送

というステップが用意されているのですが、10回 → 50回のジャンプが大きすぎて、モチベーションが落ちやすいと感じました。

例えば、習慣化を目的としているなら、習慣化には「3週間の継続」や「30日間の継続」などが大事とよく言われていると思うので、その観点から考えたステップがあるとより継続しやすくなるのではと思いました。

改善点2: 進捗が分かりにくい

「n回達成で完了する項目」において、進捗が明確に表示されないのも課題に感じました。

一応プログレスサークルのようなUIはありますが、「あと何回で達成できるか」が一目で分かる設計になっていると、より達成感が得られ、継続のモチベーションにつながりそうなので改善に繋げたいと思いました。

「ユーザーとして触る」ことの意味

開発者としてアプリを触っていた時は、動作確認や機能のテストが中心で、「ユーザー体験」という観点ではそこまで深く考えていなかったように思います。

でも実際にユーザーとして使ってみると、「この画面、使いにくいな」「ここ、何が起きているか分かりづらいな」など、細かいUXに目が行くようになりました。

もちろん、リソースの問題もありすぐに改善できないこともありますが、「気づき」としてストックしておくことで、チーム内で共有したり、開発の優先度を考える材料にすることができます。

何より、「もっといいアプリにしたい!」という気持ちが自然と強くなり、開発へのモチベーションも高まりました。

おわりに

日々の開発の中で、つい「作る側の視点」に偏ってしまうこともあるかもしれません。 ですが、ユーザーの立場に立って使ってみることで、見えてくることがたくさんあります。

もちろん、全ての改善を一気に実現することはできませんが、「ユーザー視点での気づき」を開発チームに持ち込むだけでも価値があると思います。

この記事を読んで、少しでも「自分たちのサービスを改めて使ってみようかな」と感じてもらえたら嬉しいです!

ありがとうございました!